個人を鍛える指導者と、個人を忘れる代表

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今日は攻撃のきっかけについて。

先日もお話ししましたが、ラインネッカーの攻撃。
今日はバルセロナと試合して31ー24で負けて、
アウェイゴールの差でベスト4を逃しました。

自分なりに攻撃のきっかけを調べていたのですが、
数的同数、6:6の状況での組織的攻撃のきっかけは5種類。
3回未満のきっかけを除けば、3種類のきっかけが大半です。
これは、フリースローになって再攻撃になった時も、
一回と数えているので、実際に試合で行われた回数になります。

センターポストのクロス21回
ボールなしのクロス(ユーゴ)10回
サイドきり6回

あとはフリースローからの攻撃やパッシブからのシュートなど、
チームというより個人やグループ発信のきっかけ、速攻でのフィニッシュ。

センターポストクロスでフリースローを取られても、
もう一度センターポストクロスで攻めるんです。

相手チームもやることがわかってるはずなんです。
それでもきっかけをあまり数多く使わないのはなんででしょう?

メカルが思うのは、わかっていても止められない攻撃が一番強いからです。

やっていることはシンプルなんですが、
個人の強さと動きのバリエーション、一つのきっかけからの枝葉の部分があるから、
ディフェンスとしてはわかっていても止められない攻撃になります。

ハンドボールの攻撃は、
強力なシューターがいるチームが強かった。
数多くのきっかけやフォーメーションで的を絞らせないチームが強かった。

という時代を経て、
きっかけそのものの数はある程度限定されるけど、
その展開にバリエーションがあるフリーオフェンスのチームが強い。
という流れのような気がします。

緩やかな制限の下で個人のパフォーマンスを発揮するというやつですね。

しかし今日はバルセロナにほぼ完璧に守られていました(笑)
バルセロナも研究したでしょうね。

ラインネッカーよりもバルセロナの方がもっとフリーオフェンスな気がします。

攻撃はディフェンスをゆさぶって、より良い状態でフィニッシュすることを一つの目標としていますが、個人の強さがないことには突破していけません。

ヨーロッパの強豪国がヨーロッパ選手権や世界選手権の前にどれくらい合宿するかわかりますか??

約3週間くらいだそうです。
3週間でチームを作れと言われたら日本ではなかなか難しいでしょうね。

同じ釜の飯を食う
とはよく言いますが、長い時間を一緒に過ごして団結力を高めるのも大事です。
だけど、どれだけ時間をかけても同じ相手にトレーニングしていたら
なかなか強くはなりません。
日本人は特にそうです

なぜかといえば、世界、いまではアジアと戦う時、
日本人では感じることのない大きさ、パワーがあるからです。

日本にいる以上、2mの選手と対峙することなんてほとんどありません。
100キロ以上のポストを守ることはほとんどありません。
それに慣れないことには試合が始まって手応えを得た頃には終わっているからです。

逆に、それに慣れてしまえば、戦い方も覚えて来るので、
日本人でも十分にチャンスがあると思います。

ヨーロッパの選手は、それぞれが高いレベルでプレイしているから、
集まった時には戦術の確認とコンビネーションを合わせるだけで
ある程度のチームになると思います。

バレーボールの三屋裕子さんが言っていました。
代表合宿とは個人を忘れるところだ。と。。
どういうことかといえば、
個人の課題に取り組むのではなく、
個人を忘れてチームとしてチーム力を高める場所だと。
逆に言えば、代表にまで来て個人のトレーニングをしているチームは
勝つことは、難しいでしょう、と。

それがヨーロッパのやり方でしょうね。

でも、日本は必ずしもそうではない。
まずは個人。個人の力を高めるところから始める。
そしてチームとしてまとめて行く。
だから時間もかかるし、日本人でやってる以上は、
日本から出た場合にトレーニングとは違う状況に陥り
やってきたことができないということになる。

個人は個人で磨く。
そんな個人の集団が集まるから、代表合宿は戦術トレーニングと補足を行う。
個人を磨く場というのはやっぱりレベルの高い場所にいる人間ということになるのでしょう。

チェコの代表選手はチェコでハンドボールしてる選手はいません。
みんなチェコ以外のリーグでやってて、代表の試合の時に集まって試合するんです。

日本のサッカーもそんな感じですね。
海外組を呼んで数日後には試合がある。

話が飛びましたが、
きっかけを50ー60覚えないと試合ができない。
というのではなく、
きっかけは5つでいいから、それを的確に強く、バリエーション豊かに表現できる選手をたくさん輩出し、それらを集めてチームを作った方が早いということですね。

だから、日本人はもっと日本以外でハンドボールした方がいいと思う。
慣れてしまえば日本人でも十分にチャンスがあると思います。

慣れるということが大事なんですよねー。。

日本は地理的に圧倒的に不利だから、
その慣れるという時間がなかなか取れないのですが、
だからこそ、日常的にそういう場にいる必要がある、と思うんですけどねー。

育成世代を指導している指導者のみなさん。
どこに行っても通用する、個人を磨いてあげてください。
そのチーム、その監督、そのメンバーでしかできないハンドボールは
そのチームがある時間だけのものです。
カテゴリーが上がった時に、これ以外はできない
隣があの人じゃないと守れない。という選手は困りますから。

毎年毎年、移籍があってチームのメンバーがどんどん変わる中で結果を出し続けるトップ選手。
だからこそ、トップと呼ばれるんでしょうね。
高い次元でハンドボールを共有したいものだ。

皆さん、ハンドボール、面白いよ!!
画像はメカルが中3のときにJOCで優勝したときの写真。
このときの沖縄、強かったよ。。。(笑)

2014年も116日連続でいい1日でした☆

Commentsこの記事についたコメント

6件のコメント
  • makoto より:

    今日のブログの内容はとても胸を打ちます。

    「どこに行っても通用する、個人を磨いてあげてください。
    そのチーム、その監督、そのメンバーでしかできないハンドボールは
    そのチームがある時間だけのものです。
    カテゴリーが上がった時に、これ以外はできない
    隣があの人じゃないと守れない。という選手は困ります」

    本当にそう思います。人様の子にハンドボールを教えている以上学び続けようと思います。

    銘苅さんのミッションも

    なんだか見えてきたようですね。

    今日は疲れていたけど元気が出ました。病あがりに励まされた!

    ありがとうございました。

    帰国の時うちに泊めてあげたいけど。我が家は狭すぎる・・・ごめん。

    • mekaruatsushi より:

      日本は学校のカテゴリーで区切りがあるので時間が限られていて難しいところもあります。
      だけど、そのカテゴリーで勝つことではなく、日本代表を育成する心意気でやらないとダメですね。
      本当に日本を強くするには。
      現場の指導者は日本代表を強くすることに意識が向いている人は少ないのかもしれません。
      もちろん、普及という面でご尽力されているのですが。。。
      強くなるだけではなく、ハンドボールを楽しむ資質を育む。
      生涯体育の指導要領そのものでもありますけど。

  • Masami Hikita より:

    この文章を読んで、酒巻さん・藤本と同じような話をしたなぁと思い出したよ!

    • mekaruatsushi より:

      疋田先生
      愛知県も夏の戦いが始まったようですね☆
      全国制覇や代表選手を多く出すのも大事。
      でも、同じように生涯に渡ってハンドボールに親しむ資質、というのも大事ですよね。
      メカルの母校はインターハイで勝った回数は少ないですが、指導者として
      ハンドボールに携わっている人間の数ではあの強豪校の比ではありません。
      そういう部分の個人の育成も大切だなぁと思いました。
      疋田先生の教え子さんも審判したりがんばってますねー☆

  • 疋田雅己 より:

    もちろん沢山勝ち上がれるに越したことはありませんが…。
    我々の環境では勝利だけを目指したり、日本代表に繋がる選手の育成を目指したチーム作りは難しいです。
    やはり、ハンドボールを好きになって、観客として、経営者として、審判として、指導者として将来のハンドボール界を何らかの形で支えてくれる人材を育成したいと思います。いつも話題になりますが、指導者の勉強不足や勝利優先のために、判断を伴わないパターンやシステムにはめて、それを反復練習させて何とか勝たせるみたいな。その場は良いかもしれませんが、指導者になって何を教えたらよいかわからないですよね。逆に、多くのことができなくても、自分達で判断する習慣をつけさせておくと、苦しい場面でパニックにならないチームになります。(我がチームの女子がそうでした。)緩やかな制限の中で…理想ですね。勉強勉強。

    • mekaruatsushi より:

      勝ちだけを求めると、待てないので、型にはめた方が楽ですよね。
      それは指導者の怠慢だと思うのですが。。。
      学習指導要領にあるように、生涯にわたってハンドボールを楽しむ資質は大事ですね。
      現役終わったら見たくもないとか、優勝してもあんまり嬉しくないチームだと、
      なんでやってるんだろう?と思います。
      走るハンドボールしかしてない選手は指導者になっても走ることしかさせません。
      悲しいかな、走力があれば勝ててしまう、そこに判断がなく、素材が集まったら強いという日本のハンドボールは、これからもそうやって連鎖して行くと思います。
      だからこそ、先輩方が指導しているチームにはがんばって欲しいですし応援しています☆
      火曜日はファミリーで試合のようですね。りっちゃんと6月に飲み会やろうと話しています(笑)
      いいパフォーマンスが出来ますように!!

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